こんにちは。鈴木です。
他人と食事をするのが不安な人はいませんか?
・完食できなかったらどうしよう
・吐いたらどうしよう
など
会食恐怖かもしれません。
会食恐怖は正式な病名ではなく社交不安症の一種と言われています。
社交不安症には薬と認知行動療法が有効です。
今回は、会食恐怖症をどのように克服していけばよいのか、認知行動療法的な視点から説明します。
なぜ他人と食事をするのが怖くなるのか?
会食恐怖が悪化する原因は「回避」と「安全確保行動」のためです。
例えば食事をしている時「全部食べないと変だと思われる」と考えていると、緊張して余計食べられなくなるので、他人と食事をする場面を回避したくなりますよね。
回避をすると安心できるのですが、不安なことを回避すると不安は強くなる性質があります。
ジェットコースターが苦手な人がジェットコースターを回避していたら「想像しただけで怖い」という妄想が膨らんで、さらに怖くなるのと一緒です。
回避をできずにどうしても他人と食事をしなくてはいけなくなった時に、さっぱりしたものだけにしたり、定食のように一人前として出てくる店を避け、居酒屋での食事のようにみんなでつまんで食べるような店にして、安心しようとすることがあります。
この安心させる行動を「安全確保行動」と言います。
安全確保行動は最初のうちはよいのですが「やらないと不安」となることが多く、そうすると会食恐怖が治らない原因となります。
一人前の食事をいつまでも避けていたら克服したことにはなりませんよね。
何度も人前で食べることにトライしても、全然慣れないし克服できない!って人は安全確保行動をしているのが原因であることが多いです。
このように回避と安全確保行動によって症状が悪化していくのです。
どうしたら克服できるのか?
他人と食事をすることの何が苦手か?によって克服方法は違いますが、基本は
・食事を回避しない
・安全確保行動をやめる
をして、「他人は否定的におもってないよー」ってことを体験することが必要です。
なぜこんなことをして克服できるのか?というと、会食恐怖の人は自分が気にしていることを他人は否定的に思っていると考えがちなのです。
しかし、多くの場合否定的に思っていることはないのです。
平たく言えば考えすぎなのですが「あなた考えすぎ」と言われても「あーそうですか」と納得する人はまずいません。
納得してもらうためには、食事場面に挑戦することは必要ですが、ただただ食事場面で無理やり食べてじーっと我慢ではうまくいかないので、次のようにやってみてください。
克服するための4つステップ
自分が不安に思っていることが本当かどうかを実験してみましょう。
「完食しなければ、相手から嫌な顔をされるだろう」と考えていたとします。
それであれば少し残して相手が本当に嫌な顔をするか確かめてみましょう。
やってみるとわかりますが、ほとんどの場合恐れていた結果となりません。
一度だけだと「たまたまだろう」など考えますが、何度もやっているとそれほど人は完食しなくても何も思わないことがわかり、人前での食事が怖くなくなります。
つまり完食することを目的にするのではなく、自分の怖いことが本当に起こるのか?を検証することを目的とするとよいのです。
いきなりやるのは大変な場合はハードルが低いところからやっていくとよいです。
例えばあっさりしたものを安心できそうな家族や友人の前で食べていくとか。
次第にこってりしたものとかそれほど親しくない人と食べるとか、ハードルを上げて最終的には何でもどこでも食べられるようになるまでやるとよいです。
基本的には以下のステップでやるとよいです
①他人との食事場面で自分が不安に思っている考えを挙げる
例 食事を残したら変な人と思われる
②実際にやってみたらどうなるか?を予想する
例 食事を残したら相手は目を細めてジロジロと自分の食事を見る
相手が「しかめっつらをする」「目を細める」「怒鳴る」など。
「変に思っているだろう」と相手の心を予測はしないで「見えるもの」「聞こえるもの」で予想する
③結果を確かめる
例 食事を残しても何もいわず、普通に会話をした
ここでも「見えるもの」「聞こえるもの」で結果を確かめる
④実験の結果何が言えるか?疑問点があれば再度実験
例 食事をしても変に思われないかもしれない。今回は仲のよい友人だったからかもしれない。別の友人でやってみよう。
タイプ別やってみることの例
何が怖いかタイプ別にどんなことをやればよいか例をあげます
【完食しないとダメと思っている】
わざと食事を残して他人から否定的に思われるか確かめる
【嘔吐するのが怖い】
半分くらいでも食べたら本当に吐くかを実験する
※嘔吐恐怖についてはこちらの記事も参考にしてください
【赤面するの不安】
あえて温かいものを食べるなどして赤面させて、相手がジロジロ自分をみるか実験する
※赤面についてはこちらの記事を参考にしてください
【汗が出て変に思われるのが嫌】
汗が出ていることで他人から否定的に思われ食事が不安ならば、あえて汗を出すようなことをして、他人が否定的な態度をするか実験する
【震えているのを見られるのが嫌】
箸を持つてが震えて不安というならば、わざと震えて食事をする。
他人が震えていることに気づいて、バカにするようなことをいってくるか実験する
※震えについてはこちらの記事も参考にしてください。
まとめ
会食恐怖症の克服方法について説明しました。
基本的には自分の考えている不安なことが本当に起こるのか実験してみると良いです。
一回だけでなく、何度もやらないとなかなかうまくいかないので粘り強くやってみてください。
うまくいかない時はカウンセリングでご相談くださいね。